音楽素人の私が、AIで「それっぽい」BGMを作れるようになるまで。

AI BGM制作のイメージ

ゲーム制作において、BGMは世界観の「体温」を決める重要な要素です。しかし、私は音楽の専門教育を受けたこともなければ、楽器を嗜んでいるわけでもありません。

「ファンタジーとメカが混ざったような、神秘的だけど不穏な音が欲しい……」

そんな頭の中の抽象的なイメージを形にする術を持たなかった私が、今では『Regalia Logica』の全楽曲を自前で用意しています。それを可能にしてくれたのが、最新のAI技術でした。

「翻訳家」としてのGemini、「演奏家」としてのACE-Step

私の作曲プロセスは、メロディを書き留めることではなく、「対話」から始まります。

まず、AI(Gemini)に私の「妄想」をぶつけます。「森の中で精霊とちょっとした小競り合いをしているんだけど、神秘的で、でもダンサブルすぎない、コミカルな感じにしたい。どんな楽器がいいかな?」

するとGeminiは、まるで熟練の音楽プロデューサーのように提案してくれます。「それならファゴットでおどけた感じを出しましょう」「リズムはウッドブロックで刻むと森らしいですよ」。

こうして練り上げられた専門的なプロンプトを、今度は音楽生成モデルACE-Step v1.5に渡します。すると、数分後には私のイメージを具現化した「まさにそれっぽい音」が流れ出すのです。

💡 実際のAIへのプロンプト例

Mystical forest suspense, 80 BPM, Ethereal shimmering pads, Deep cello pulse, High-pitched crystalline glockenspiel, Subtle wind chimes, Distant woodwind echoes, Mysterious and intriguing, Atmospheric layers, Cinematic tension, 44.1kHz.

ポイント:Deep cello pulse(チェロの低い拍動)を入れることで、地面の下で何かが目覚めるような鼓動を表現しています。

「軽量化」の工夫

本作はWebでのプレイも想定しているため、BGMのファイルサイズには非常に気を使っています。AIが生成してくれたリッチな音源を、いかに「音質を保ちつつ軽くするか」も、私の大切な仕事です。

AIが教えてくれた「プロの凄み」への敬意

AIで「それっぽい音」が作れるようになればなるほど、逆に痛感することがあります。それは、プロの作曲家や音響エンジニアの方々の圧倒的な凄さです。

AIは「雰囲気」を出すのは得意ですが、物語のここぞという瞬間に完璧にシンクロする感情の揺れや、秒単位で計算された音の「間」は、やはり人間にしか描けない領域だと感じます。

生成された音をAudacityで加工し、ループの繋ぎ目をミリ単位で調整する泥臭い作業を繰り返すたびに、「プロはこれを、もっと高い次元でやっているんだ」と、音楽への尊敬の念が深まるばかりです。

表現の壁を越えて

私はプロの作曲家ではありません。でも、AIというパートナーがいるおかげで、「音楽が作れないから」という理由で物語のクオリティを妥協せずに済みました。

『Regalia Logica』のBGMには、そんな「AIへの驚き」「本物の音楽への敬意」が詰まっています。ぜひ、ゲーム内でその空気感を楽しんでみてください!